うわぁ..やっぱりあるところはあるんだ..と考えさせられるマタハラ報道が。新聞に投書された、保育士さんたちの間で起こった「妊娠の順番」というマタハラ。
どういう内容かというと
- 妊娠時期を園長が決めている(人手不足のため)
- 予定外の妊娠をした夫婦が園長に謝罪
- 15%の保育園で似たような「暗黙のルール」とのアンケート結果
こういう流れです。この問題自体はマタハラで批難されてるんですが、一部の人の意見がおかしいんですね。
「保育士さんが妊娠してもいいけど、小学校に上がる大事な時期などは困る」という保護者の声。特に女性から出ている声もあるのはおかしい。
う~ん、確かに時期によってはシビアな問題でしょう。ですが、それとこれとは話が別で、妊娠した保育士さんを責めるのはお門違いですよね。
看護師として働くわたしも、一度だけ似たような環境で働いたことがあるので身近な問題だと感じたんです。妊娠の管理って女性に対する立派なマタハラですよ。
なのにも関わらず、女性から非難の声が出ていたらマタハラなんて無くならないですよ?(心療内科で実際に起こったマタハラ)
これ保育士さんと同じで、女性の多い職場である看護業界にも言える話なので。実際にツイートされてる方もいましたね。
ナースも似たような空気感あると思う。悲しいのと同時に、何とも言えないタイミングで妊娠されて激務になる苦しさもすごい分かる。保育士の「妊娠順番ルール」は約15%の保育園で存在(NEWS ポストセブン) https://t.co/akpIrh3BZ7
— mina@中堅Ns (@tomgirlxoxo) 2018年3月29日
これは大きな問題なので、「看護師向けのマタハラ対策」をまとめてみました。
Contents
「妊娠の順番」なんて作ってはダメな理由
そもそも妊娠の順番なんて許しちゃダメです。すんなり受け止めている女性がいるのが怖い話で、妊娠ってそんなに簡単にできる話じゃないんですよ。
「不妊治療」を含めて、今の時代は若い人でも妊娠しづらいケースが出ていることは有名ですよね。天からの授かりものとか言いながら、悠長に構えていられない事もあります。
もし決められた時期に妊娠を望んでも、もし子供ができなかったら?次の年になっても出来なかったら?ひょっとしたら不妊の傾向があるかもしれないんです。
極論ですけどこういった問題が起こるかもしれない中で、「妊娠の順番が」とか言ってたら変わる物も変わりません。
特に女性同士で働く職場でこういう環境を認めると、男性がいる職場で働く女性などはより理解されなくなります。
妊娠しても休めない環境だと、出産ギリギリまで働いて切迫流産のキケンなども高まりますからね。こういう状態を暗に認める発言は、巡り巡ってじぶんたちを苦しめますよ。
時代に逆行するようなマタハラの芽は、女性たちでさっさと摘んでしまう必要があるとも言えます。と言いつつも、理想論だけでは何も問題解決にならないのも事実。
そこでマタハラ対策しながら働くコツを書きます。わたしも結婚して子供が欲しくなった時に、マタハラに遭ったらたまったもんじゃない!
看護師のマタハラ対策
わたしの先輩や後輩たちで、妊娠から退職・求職・復職された人の事例でお話します。参考にして下さい。
同僚の妊娠は喜んで受け止める
小児病棟で働いていた頃ですが、子供が好きな人たちの集まりだったのもあり妊娠した看護師さんをすごく祝福していた先輩がいました。
私が勤めている間で2名ほど妊娠されて、休職されていったんですけどね。人手不足になったんですが、「こっちは任せて元気な子を産んでね」と送り出して気持ちが良い。
わたしは、まだ新卒で入職したばかりの立場だったので祝福する余裕も無かったんですが。今にして思えば、忙しい病棟であるほど、周りからしっかり喜ばれたらと嬉しいだろうなと。
申し訳なさを少なからず感じる人だってまだまだいますから。
妊娠の順番なんか作る事は無いんですが、こういう同僚の妊娠を喜べる人はあとから周りにも祝福されます。
ほどなくして、先輩も結婚して妊娠も発覚したんですが。ちなみにデキ婚(汗)
巷で言われるような無計画な人とか、そういう話は一切出ず周りから祝福されてマタハラとは無縁でした。
逆に女性同士の職場で、人の妊娠を見て「忙しいのに困る」といった発言をする人は自分の首を絞めますよね。「人には厳しくじぶんには甘いんだ」と思われると、仮に妊娠&復職してもしんどいはず。
女性の職場ですから、「みんなで妊婦さんを守る」という意識を持って働くことがマタハラを防ぐ最大の行動だと学びました。
妊娠が発覚したら早く伝える
今の介護ナースを始めてからも、妊娠した後輩を見ています。ここで「後輩の癖に幸せを掴みやがってw」と悪いナースなら思うかも。(わたしは思ってませんよw)
20代で結婚していたりすると、妊娠は自然と起こるもの。ただ、妊娠は自由でも早い段階で伝えることは必要だと思います。
出産で一人抜けたとしても、時期によってはさっさと人員を上の人が確保してくれる可能性もあるからなんですね。実際、後輩が抜けた時は穴埋めに一人採用されました。
環境によっては「人手不足になるから気まずくて言いにくい」と思う方もいるかもしれません。しかし、気まずくても数か月後には休職なり退職して出産するわけです。
どうせ分かっている事なら、早い段階で伝えてスタッフの配置を考えさせてあげた方が周りには優しいです。持ちつ持たれつ、お互いが働きやすい職場にするために。
「すでにマタハラが起こっている」なら辞めるだけ
最後は、すでにマタハラが起こっている職場に勤めているケースです。この場合は、理不尽かもしれませんが一刻も早く辞めるべき。
わたしの同期に、産婦人科で働いている子がいるんですけどね。幸せに出産されていくご夫婦を見る反面、流産などのケースも目の当たりにしなければいけない場所。
休みたいけど休めずストレスで倒れる妊婦さんが出たり、臨月まで働いて切迫早産になるケースなど「マタハラの影響」は怖いと聞いています。
保育士さんの15%が妊娠の順番を決められているという結果が出ているように、妊娠してからも酷使せざるを得ない環境にいる人がいるのも現実。
そういう環境でもし働くなら、さっさと辞めて産まれてくる子供を大事にすることが一番ではないでしょうか。仕事を辞めても別のところで働けるのがナースの強みでもありますからね。
逆に生まれてくる子に何かあっても、取り返しがつかないのがお産です。おかしな環境は、少しでも早く辞めるというのが現状では正しい行動と言えます。
「マタハラ」に遭わない病院で働くには?
ちなみに、これから子供を持つ前提で病院を探していたり、マタハラが起こりやすい環境を避けるには職場選びが重要です。述べて来た対策を取っても、マタハラされたら意味がないですからね。
そこで知りたいのは、看護師の復職を受け入れて来た実績のある病院。
復職を受け入れるという事は、病院をナースさんが好意的に思っている証拠。同時に、病院側も受け入れを制度化しているという事が分かるからです。
特に妊娠・出産から戻ってきた実績があると、安心して子供を産める保証が付いているような物。これは当たり前の事ですが、知っているかいないかで差が出ます。
保育士さんの「妊娠の順番」も就職する前に知っていたら防げたかもしれない環境ですよね?
そこで「復職の受け入れ実績」を知る方法ですが、データを保持しており教えてくれる求人サービスを利用する事。
病院によって開示しているかどうかは変りますが、例えばナース向けの転職サイトなどだと病院の情報を多く持っています。担当さんが病院で話を聞いてますからね。
仕事を探す看護師さん同様、少しでも入職に繋げたいのは、求人サイトも同じ。転職アドバイザーさんがデータを持っていれば、すんなり教えてくれます。
こうやって、少しでも知る事ができる環境から病院を探すことがマタハラを封じる近道。
「ゆくゆくは子供が欲しい」と思っているナースさんなら、登録して念のため話を聞いておいた方が後のトラブルにならないのでオススメです。
わたし自身も実際に使ったので、看護師向け求人の評判を確かめるのに使って下さいませ。