認知症病棟で働くようになってからは、転職することも無くなりました。一概に言えませんが、理由として「わたし自身には合っていた」というのが大きいです。
見たり聞いたりするより、実際にその場所で働くからこそ続くかどうかが分かるというのは、看護師の世界だけはないんですけどね。まずはやってみることが大事。
そんな認知症専門病棟で働く中で感じる、メリット・デメリットをまとめてみました。
Contents
認知症専門病棟で働いて良かったと思う点【メリット】
介護スキルが身に付くので、介護業界への転職も可能
看護師として働いているわけですが、同時に介護スキルも身につけることが可能です。介護施設にも看護師はいるので、夜勤や人間関係に疲れてもすぐ転職できます。
事実、資格手当が一般の介護職の方よりも多くなるため、「昼間のデイサービスでのんびり働きたいから転職する」というナースさんも多いですからね。
わたしも今はお金を稼ぎたいので、当面は認知症病棟で働きますが、もし結婚して昼間のパートなどに出るなら介護施設もアリかなと思ったり。まずはお相手探しからですが..(汗)
患者さんとの関係が長期間になるので、ルーティン化に飽きない
ナースとして働いていると、人を相手にして働いている割に関わりが少ないということに気づきますよね。病気が治って関係が途切れるのは良いことですがw
しかし、認知症は治るということが無いので、必然的に長期のお付き合いになります。認知症も程度によるので、ふつうの生活感覚で患者さんと過ごすことにも繋がります。
「おーい!お昼ご飯だよー」と一般患者さんには言わないようなことを言ったり、それに対して「メシは要らんからアンタ食べておいて~」なんて返されたりw
人間関係の楽しみがあるので、ルーティンを繰り返す中でも飽きない面白さがあります。
要領が悪い人でもやっていける自信が生まれやすい
認知症専門病棟での主な対応は、医療器具を使っての処置よりもコミュニケーション。患者さんの気持ちに寄り添って、どのように接するかが重要です。
ドタバタした作業が多いと、要領勝負になったりするのでナースとして自信を失う人もいますが比較的安心できる傾向があります。わたしも、不器用なので気持ちが分かるんですw
つまり、認知症病棟に入るとゆったりペースで働けるので自信に繋がりやすいということ。点滴など基礎的な処置はありますが、他に比べるとやさしいですよ。
認知症専門病棟で働いて悪かったと思う点【デメリット】
患者さんからの暴言・暴力がたまにある
「認知症」を知らないと、最初はびっくりしてしまうことも多いです。
いきなりキレる、急に叩いてくる、暴言を吐かれる、歩くのも大変なのに徘徊だけは頑張る、食事を捨てる、他の患者さんとケンカする、点滴を自力で抜いている..。
挙げていくとキリも無いのでやめますが、色んなことが起こります。
一般論でいう「ボケ」が飛び交うので、笑えることもあるのですが..ケースに寄りますね(汗)
朝イチで「アンタべっぴんさんや」と言ってくれていた患者さんが、夕暮れに「このブス!」と言ってきた日のことは今も忘れませんw
一般的な医療処置を学ぶ機会が少ない
認知症専門病棟では、認知症の治療および症状のコントロール目的で入院されている患者さんがほとんどです。
主症状が認知症なので、認知症以外に持病がないという方もいますね。見た目に認知症が分からないと、ふつうのお年寄り広場みたいな(笑)
点滴やカテーテルなど、一般の診療科的な医療処置を行う機会が極端に少なくなるので、スキルが身に付きにくいことを気にされる方もいます。
わたしは心療内科クリニックで働いていたこともあるので分かりますが、精神科なども医療処置を行う機会が少ない領域なので看護師さんに共通する悩みになります。
ただし、スキルアップできないかというとそうでも無く、目指したい看護師観にフィットしていれば問題ないですけどね。
少なくともわたしは、心に寄り添う看護がしたかったので今の仕事が最高に楽しいです。
患者さんが亡くなる現実を受け入れないといけない
高齢者なので亡くなって行かれる方もいます。長期的に関わってきた患者さんは、お別れが寂しいのですが自然の摂理として仕方がないですから。
ここは慣れの問題でもありますが、仲良くなった患者さんが亡くなるというのが辛い人はひとつのハードルになるかと。
ターミナルケアや在宅医療を希望されて、病院を出ていく方もいますが、風の便りで亡くなったと聞くと辛いですね。
高齢者を相手にする仕事なので、それなりの覚悟は持った方が良いです。
認知症専門・老人介護施設を希望するなら、事前に話を聞いてみること
高齢者を相手にする看護業務を希望されるなら、事前に病院の見学に行ってみたり、院内の様子を聞いてみることをオススメします。
その際に役立つのは、病院事情に詳しいアドバイザーさんの多い転職求人サイト。
たとえば、わたしが利用して今の職場に入職した
ナースJJ
などは、老人向けの医療機関を豊富に取り扱っています。
こういった場所で仕事を探せば、濃い情報を手にすることが可能。さらに条件の良い職場も比較することができるようになります。
ナースJJ
はわたしが実際に使って良かったのでオススメしていますが、個人的に気になるところがあればそちらを使ってもいいと思いますよ。
大事なのは、事前に話を聞いて情報を整理すること。
「ダメ求人を引きたくない」という方は、アドバイザーさんの話に耳を傾けるだけで良い職場に出会う確率が上がるということですね。
コンサルタントさんがいる求人を使えば、給料や勤務時間の交渉も進めてくれて便利なのでぜひ活用されてみてはいかがでしょうか。