小児病棟の看護師

小児科病棟で働く上でのメリット・デメリット【看護師の実体験】

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「子どもが可愛いから」というイメージで小児科病棟で働きたいナースさんは多いと思います。元小児科病棟の看護師として、同じ気持ちなのでわかります(笑)

しかし、何ごとにも言えますが「メリット・デメリット」を知った上で考えることが重要。

わたしが新卒で働いた体験から、小児科病棟で働くメリット・デメリットを参考にして頂ければと思います。読んでみて「じぶんには向いている」と思えたらぜひ目指されると良いですよ!

小児科病棟で働いて良かったと思う点【メリット3つ】

幅広い診療科の経験が積める

わたしの配属された小児科は、ICU機能も備えている病棟だったので、幅広い診療科の経験が積めました

生死をさまようような重症患者、急性手術、回復期、リハビリ期、慢性期、終末期など色んな子どもがやってきます。

 

そのため、1年目から呼吸器・循環器・消化器、内分泌、脳神経、整形外科、精神科等の診療科の知識を詰め込みました。

小児特有の疾患がメインですが、解剖生理の理解から始まるため、小児科から転職した際や現在でも役に立つ場面が多いと実感しています

 

0~18歳までの患者とその家族、幅広い年齢層への看護

女性は将来的に結婚をして、子どもを産んでというライフステージの変化がありますが、その際にも小児科の経験は絶対に役立ちます。

特に乳幼児~学童期の子どもは、年齢に合った関わりが必要。日ごろから小児科での知識や経験があると、友人などの子どもが産まれた際にでも相談に乗れることが増えます。看護師の中でも特殊な経験ですからね。

 

また、子どもだけではなく、家族との関わりも多いのが特徴。何か患者にケアをする際には、まずはご家族に説明し了承を得るところから始まります。

必然的にコミュニケーション力も高まるため、小児科で働いていると人見知りな性格などどんどん改善されるんですよねw(超が付くほどの人見知り性格なわたしでもだいぶ改善されました)

 

子どもにとっても、一番の味方だと感じているのは家族(特に母親)なので、その家族と信頼関係を築けていると、スムーズなケアができますから。

こうした幅広い年齢層の看護や家族対応などは、小児科でとても勉強になりました

後はわたしが結婚して子どもを産めば..というところですが、お相手が見つかっていないという(笑)

 

看護師も医師も温和な方が多いので、人間関係は良好

他の小児科が分からないのですが、わたしの勤めていた場所では看護師も医師もステキな方が多かったですね。性格がキツく当たり散らすといった人もおらず

「いつも子どもを相手にしている」というのが大きいと、わたしなりに分析しています。「子どもが好きな人に悪い人はいない」というのは、当たっていると思いますよ。

 

たとえば忙しいながらも、病棟では季節のイベント(クリスマスやハロウィンなど)で催し物が定期的にあります。

小学生くらいまでなら喜んでくれますし(中学生以降はもう限界w)、子どもたちを前にピリピリとなる人も少ないですから。

 

長期入院していた子が退院していくと、ちょっぴり涙が出そうな感情を共有出来たり。こういう心の繋がりが、小児科は起こりやすいためギスギスしないのだと思います。

研修などで他の小児科の方とお話する際にも、人間関係でトラブルといった話は特に聞かなかったですね。子どもは大人の心をきれいにしてくれる存在ですw

 

小児科病棟で働いて悪かったと思う点【デメリット】

成人向けの一般スキルが付きにくい

ある程度覚悟はしていましたが、採血や点滴ルートを取る、導尿など「看護師ができる処置が少ないこと」が一番ではないでしょうか。(特に注射という基礎的な医療行為。子どもと大人では技術が変わってきます)

小児科にいるときはあまり感じないのですが、違う科の同期と会って話をすると、どうしても看護師としてのレベルが上がっていないような感覚に陥ったことも..。

ちゃんと技術は向上しているのに、「子ども相手」というところが気になるんですよ

 

その後、成人相手の看護業務に転職していますが、最初は採血や点滴ルートなどがうまくできなくて悩みました。だんだんコツが掴めて出来るようになるので、そんなに大問題でもないのですが。

半年後くらいには同年代の看護師と変わらないレベルにまでになったので、悩むのは本当に最初だけです。ここで挫折する人もいるので、ちょっと気にかけておくといいかと。

 

ただ、子どもは大人に比べて注射の失敗に不寛容なので、小児科での注射におけるプレッシャー慣れがあると成人患者の相手がめちゃくちゃ楽です(笑)

 

最初は非人道的なことをやっているような錯覚に陥る

これはどの看護師さんでも思う「小児科あるある」ですが、小さなお子さんが泣きわめく・暴れるという場面にぶち当たると辛いです。例えば点滴ひとつでも、大人のように腕を差し出してくれないわけですから。

 

幼い子ほど、ルートを取るどころでもないので結果的に「看護師のチームプレイ」で腕を押さえつけたり(汗)最初はベテランの補助で押さえ役をしますが、刺す側に回るとそれはそれで申し訳ない気持ちに..。

「悪党が非人道的なことをやっている」という目で子どもに訴えかけられるのは慣れないと厳しいです。慣れている看護師さんは、「静かにしてないと痛いよ!」とか言ってます(笑)それ、どっちにしても痛いじゃんと(笑)

 

子どもが亡くなるなどの辛い現実

小児科では元気になって退院する患者が大半です。しかし、中にはがんの末期、脳死状態、虐待で入院してくる子どもの現状などを目の当たりにすることが増えるのも事実。

「子どもが好き」という気持ちだけでは、本当に心が折れてしまいそうな場面があります。現にわたしが、精神的に参って離職したのもこういうケースが重なったことが関係していますので..。

 

「思っていた小児科のイメージと違った」というのは誰しもが経験するところではありますけどね。「死」という「子どもの笑顔と正反対にある出来事」は辛いです。

病院や病棟の特色によって多少違いはありますが、辛い現状の子どもさんもいることは、小児科病棟を選ぶ際に忘れてはいけないと思います

 

小児科選びの際には、わたしが働いていたようなところではなく、ふつうに外来で勤めるという道もあります。夜間に運ばれてくる子どもの処置よりは、ほのぼのとしていますので。

「稼がないといけない」という事情があるなら、夜勤ありの病棟に勤務するなど個人の考えで選ぶといいですよ。どこも、子どもが可愛いことに間違いはありませんから。

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