看護師コラム

ドラマ・ブラックペアンの世界は本当?【現役ナースが考察】

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ブラックペアン見てますか?医療系ドラマなので見ているんですが、なかなか面白くて毎週楽しみにしていますw

なんですが!やっぱり問題になったかー..という感じ。あくまでドラマなのでツッコミどころ満載ではあるんですけどね。

ヤフーニュースにもなっていますが、治験コーディネーターの現実が事実と異なると抗議されていました。

そこで現役ナースとして考察してみました。医療業界のイメージにも関わるので事実関係を現場からお伝えします。

「ブラックペアン」の治験コーディネーター問題

ヤフーニュースから抜粋しますね。

「ブラックペアン」の第1話・第2話では治験コーディネーターがスーツ姿で担当医師を高級飲食店で接待したり、治験を決めた被験者に同意書を取らずその場で負担軽減費として300万円を手渡しするシーンが登場しました。

治験を知らない人は少ないと思うので説明は省きますが、「裏ではドラマのようなことが起こっているのでは?」と思わせる描写が多いです。300万も渡すとかなんじゃそりゃみたいなw

でも本当に知らない人には、こういう描写一つで不安を増長させるんですね。

 

わたし自身も大学病院の小児病棟で働いていた頃、手術を受ける事になったお子さんのご両親に詰め寄られたことがあるんです..。

ご両親「ウチの子の手術は、若手のお医者さんの実験台にされるんですか?」

一瞬これを聞いた時に「え!?」と思ったんですが。大学病院=新人ドクターの練習場みたいな認識を持たれていたことに驚きました。

 

確かに、若手の医師もいるのでそう考える人もいます。ただし大学病院というのは、何かのドラマで見たような実験場になっているわけではないんですよ。

熟練の医師がもちろんいる前提で若手ドクターもいるわけです。そこで勉強はしますし、こういった環境で育った人が開業されていくんですね。

医療業界に詳しくないと、確かに今回のブラックペアンを見た一般の方が誤解するという意見も納得できます。イメージが悪いですから(汗)

 

ドラマはあくまで「盛ってる」から心配ない

これは医療ドラマに限らないんですが、とにかくどんなドラマの世界も「盛っている」という認識で観た方が良いです。

看護師の友人と話していると、ジェネリック医薬品を勧めただけで怒られるというケースも聞いています。ジェネリック医薬品は仕組みを知るとお得なんですけどね(汗)

 

「お金が絡んで結果的に患者さんが人体実験されている」みたいな事は、普通に考えてありえないんですよ。「ドラマだからこそ盛ってる」という認識が欲しいところ。

これは医療業界に限らないですけどね。

自分の働く業界のドラマを見て、「これはありえないわー」という作品を誰もが見たことがあるはず。それくらいドラマって特殊なんだという認識も必要ですよ。

 

しかし!フィクション要素が無いと、医療ドラマは退屈ですw

注意喚起を書いてみましたが、医療業界は基本的にひっそりしている世界です。ドラマの世界をイメージしている人も多いと思いますが、基本的に何をやるにもルーティン。

手術で人の命を救うドクターも、わたしのように介護の世界で看護師をやっていても。毎日同じことをルーティンワークで繰り返すのが基本なんですね。(一緒にしたら悪いけどw)

 

クリエイターさんみたいに新しい物を創造して、日々違ったことをやっているという世界ではありません。そのため、リアリティを追求すると面白みは無くなるんですよね。

だから大門美知子のフリーランス名医とか、どす黒い人間関係を描いた作品がウケるというわけで..。

 

本当のリアルな医療業界をドラマ化したら、作品として誰も見てくれないですからねw

そういう意味で、視聴者側がリテラシーを持ってフィクションと割り切れるだけの知識も要求されるんじゃないかなと思いますね。

まあ、今回のブラックペアン問題は確かにCRCさんが抗議するのも分かりますけど(汗)という事で継続してドラマを見たいと思いました!w

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